GIGAスクール構想向け
Cat6A（カテゴリ6A）パーフェクトガイド

移動体通信(5G)や無線 LAN(WiFi6)など、今後 10Gbps に移行していきます。
有線 LAN も 10Gbps に対応した Cat6A 配線が必要になるためです。

どちらも 10Gbps に対応した規格ですが、Cat6A は従来通りのRJ45スタイルコネクタであり、一方 Cat7(A) は Tera 型あるいは GG45型 と言われる特殊なコネクター形状で RJ45 と互換性がありません。

Cat6e という規格は存在しません。特定のメーカーが独自に設定している名称です。

Cat8 は TIA 規格にて標準化された、伝送帯域 2000MHz の配線コンポーネント及び配線システムですが、制限長が 30m と短いため、学校やオフィスに適用するのは難しいです。

ビジネス用の場合、多くのケーブルを束ねても性能が担保されております。一方、家庭用は 1 本だけで使用する前提ですので、ビジネス用に転用すると エイリアンクロストークの影響が大きく、10Gbps の性能が担保できません。メーカーにて 6 around 1 のテストデータを提供できるか否かがビジネス用かの判断の一つになります。

導入する現場の環境次第と考えております。外来の電気ノイズが乗る工場等の環境の場合、シールドケーブルが必要になりますが、一方で接地処理を行う必要があります。学校やオフィスなどの外来ノイズが少ない環境の場合は、AX テープを採用した Cat6A UTP 配線で十分です。

通信興業と冨士電線、パンドウイットの 3 社によるパートナーシップの総称で、AX テープを採用し高いエイリアンクロストーク耐性を備えた Cat6A UTP ケーブルの供給および10GBase-T の普及を目指しています。

学校やオフィスにおける配線は、規格上パーマネントリンク（パッチパネル～情報コンセント間）あるいは MPTL（パッチパネル～モジュラープラグ間） が推奨されています。長期間の使用やメンテナンスを考慮した場合、両端プラグ加工は推奨していません。

通信ケーブルには火災時の延焼を防ぐために難燃性試験が求められています。日本で最も厳しい試験は JIS C 3521 に定める垂直トレイ燃焼試験でありこれは UL の CM グレードに相当します。UL ではさらに上のグレードとして、縦幹線向けに CMR グレード、空調空間への配線向けに CMP グレードを設けています。詳しくはこちらをご覧ください。

「GIGA スクール構想」では、生徒及び教職員の方々が安全かつ円滑に学習が行える、安定した教育環境の整備が求められています。校内 LAN 配線の適切な選定と整備・構築が重要要件の一つとなっており、いつでも、誰でも使え、トラブル時の対応を迅速に行なえる環境を実現するためには、各種業界団体の規格・標準に準拠する必要があります。

「GIGA スクール構想（NW部分）」の投資要素は大きく 3 種類あり、① 物理配線（Cat6A）　② ネットワークスイッチ　③アクセスポイントです。
この中で、① のライフサイクルは 20-30 年と長く、② と ③ の 5-7 年と大きく異なります。① を正しく導入・テストしておくことにより、将来 ② と ③ が更新 （アップグレード） されても物理配線はそのまま流用が可能となり、投資効果を最大化できます。
そのため、物理配線 （Cat6A） への投資を最優先すべきものと考えております。

「GIGAスクール構想では、将来の10Gbps通信の実現を目的としています。既設配線がCat5E/Cat6グレードの場合、10Gbps対応が困難である為、既設流用は推奨いたしません。今回のタイミングでCat6Aへの移行が出来ない場合、将来引き換え工事が必要となります。

コスト削減が目的であれば、投資額の大きい部分（アクセスポイント/NWスイッチ）を見直してみて下さい。流用できる機器を把握し、全体コストを下げる事が近道です。（Q11を参照）

トラブル対応や操作ミスの防止を目的としたケーブル色分けはあまり効果がありません。ケーブル色による管理は用途変更に柔軟に対応出来ない等の問題もあり推奨いたしません。色分けによる管理は、モジュラジャックやパッチコードで行なうことを推奨いたします。

10Gbpsの通信を担保する場合、テスト作業は非常に重要です。単なる導通チェッカーによるテストでは性能測定がなされませんので、フルークネットワークス社等が提供する「ネットワークアナライザー」を使用して試験するよう、求めてください。

こちら（PDF形式）をご参照ください。

パンドウイットの Cat6A UTP 用モジュラージャックやかんたん成端モジュラープラグと組み合わせ可能なケーブルは通信興業と冨士電線、パンドウイットの Cat6A UTP ケーブルのみとなります。また、パンドウイットの Cat6A UTP ケーブルには Cat6A UTP 用モジュラージャックや かんたん成端モジュラープラグのみがサポートされております。
上記組み合わせ以外は使用できませんので、ご注意ください。

こちら（PDF形式）をご参照ください。